気密性能を表すC値。高気密住宅を目指すならどのくらい必要? 河井建築の考える温熱設計とは

気密性能を表すC値。高気密住宅を目指すならどのくらい必要?
結論
と河井建築は考えています。
まずは気密性能を語る前に私たちの温熱設計の考え方について解説していきたいと思います。
◎温熱設計へのアプローチ
日本には四季があり夏は蒸し暑く冬はとても寒くなります。
四季を通して快適で居心地の良い住まいであること、結露やカビなどに悩まされないことが躯体の基本性能として求められます。
■3つの手法によって、快適な住まいの設計を行っています。

人生で一番大きな買い物の住宅。多くの方が30年以上の長い住宅ローンを組み一大決心で購入します。折角購入した住まいが、夏はジメジメ暑苦しく・冬は寒く厚手の靴下を手放せない生活だったとしら…とても残念です。
最近の研究で室温と健康の関連性について多くのエビデンスが集められました。まさかと思われるかもしれませんが、現在の新築住宅でも家の窓が結露する、押入の奥がカビてしまうという事は起こり得ます。建築的アプローチからしっかりと躯体を作り込む事により快適かつ結露・カビがない健康的で快適な住まいの温熱設計が可能となります。
同時に大事な視点が省エネ性です。大きなエアコンや換気システムを入れれば目指す室温に持っていくことが出来き、快適にできる可能性はあります。
しかし、そういった暮らしは大きなエネルギーを使います。その結果、CO2消費の大きな住まいになり地球にとって残念な住宅になってしまいます。もちろん、そんな住まいは電気を多く浪費するので月々の電気代もとても大きなものになります。

【温熱設計の順番】
A しっかりとした断熱計画 ― 快適性と省エネの一番の鍵です。新築時にしっかり計画をすれば、その後追加コストは発生しません。
A 確かな気密施工 ― 断熱材の性能を十分発揮し、隙間風をなくす施工をします。
B パッシブデザイン ― 無償の太陽エネルギーを最大限活用し、暖冷房エネルギーを削減します。
C 設備による補完 ― 上記の手法を満たすことにより最小のエネルギーで冷暖房・換気を行い、18℃(健康温度)を下回らない温熱環境を計画します。
温熱設計には順番があり、相互関係を理解してバランスを取りながら設計に向かう必要があります。極端にどれかが優れていてもバランスが悪ければ最終的には日々の光熱費に跳ね返ってきます。また、順番を間違えてしまうと将来リノベーションをして性能向上を図ろうとしても莫大なコストがかかります。
少なくとも今から家を建てる方々には、まずは躯体性を高めて頂きたいと思います。
では、気密性能について深掘りしていきましょう。
◎気密とは...
気密とは住宅にどれだけ隙間があるかを表す性能のこと。
実は各国において気密性能の基準があり、英語ではairtilght(building envelope)と言います。隙間が多い家では結露や漏気をはじめ様々な不具合が生じます。

【気密性能が悪いと】
建物の予定外の場所に隙間が空いていると、計画している換気経路と異なる場所で知らないうちに空気の入れ替えが起こる(ショートサーキット等)、24時間換気を計画通りに行う事が非常に困難になります。また漏気(隙間風)が増えるので冷暖房効率が悪くなります。
光熱費が値上げラッシュの昨今、気密性能を担保すること事はとても重要です。
冷暖房効率が悪くなる=増エネ=ランニングコストがかかる
また、隙間から冷気が侵入し壁内で結露が発生する可能性が有ります。内部結露が発生すると知らないうちに柱、筋交い、構造パネル等が腐ってしまい計画強度を発揮する事が出来なくなるリスクを伴います。

出典:住宅の気密性能試験方法に明記された「気密化の必要性、目的」
【気密性能はどう表す?】
日本では住宅の気密性能を表す値として相当隙間面積 C値を使っています。
単位は㎠/㎡で表し、この単位の意味は「床面積1㎡辺りに何㎠の隙間があるか」と意味です。これは実際に現場で隙間を見つけて面積を測定するわけではなく、大型のファンを現場に設置し建物内の空気を外に排気する(減圧法)ことにより規定の内外圧力差を作ります。気密性能が高いほど少しの風量を排気するだけで圧力差を作れるので気密性能が高いと判断できます。簡単に表すと「これだけ風を出して、これだけの内外圧力差が生まれたということは○○㎠相当の隙間があるね」という測定方法です。

【相当隙間面積C値はどれくらいがよい?】
住宅が建設される地域区分・建物密集具合等により変わりますが概ね、
C値≦1.0㎠/㎡
より優位であれば計画換気が可能となり、漏気(隙間風)による冷暖房エネルギーの増加も気にしなくて良いと言われています。

IBEC『住宅の気密性能試験方法』より
C値=1.0cm2/m2 内外温度差20℃(真冬の明け方)の時
漏気量は0.07回/hとなり、漏気の影響は非常に小さくなります。
もちろんC値が良いに越したことはありませんが、そもそも愛知県内では気密測定を行っている工務店や建設会社が少ないのが現状です。
愛知県は地域区分5.6地域に分けられ住宅供給事業者は温暖地という認識がまだまだ高いのかも知れません。

私たちは上記の表にも示す通り、およそ漏気を考慮しなくて良い
C値≦0.5㎠/㎡
を担保すべきと考え、実測値平均C値=0.3㎠/㎡ (2023/7現在)と施工力を高めています。
実は各国において気密性能の基準があり、英語ではairtilght(building envelope)と言います。隙間が多い家では結露や漏気をはじめ様々な不具合が生じます。

【気密性能が悪いと】
建物の予定外の場所に隙間が空いていると、計画している換気経路と異なる場所で知らないうちに空気の入れ替えが起こる(ショートサーキット等)、24時間換気を計画通りに行う事が非常に困難になります。また漏気(隙間風)が増えるので冷暖房効率が悪くなります。
光熱費が値上げラッシュの昨今、気密性能を担保すること事はとても重要です。
また、隙間から冷気が侵入し壁内で結露が発生する可能性が有ります。内部結露が発生すると知らないうちに柱、筋交い、構造パネル等が腐ってしまい計画強度を発揮する事が出来なくなるリスクを伴います。

出典:住宅の気密性能試験方法に明記された「気密化の必要性、目的」
【気密性能はどう表す?】
日本では住宅の気密性能を表す値として相当隙間面積 C値を使っています。
単位は㎠/㎡で表し、この単位の意味は「床面積1㎡辺りに何㎠の隙間があるか」と意味です。これは実際に現場で隙間を見つけて面積を測定するわけではなく、大型のファンを現場に設置し建物内の空気を外に排気する(減圧法)ことにより規定の内外圧力差を作ります。気密性能が高いほど少しの風量を排気するだけで圧力差を作れるので気密性能が高いと判断できます。簡単に表すと「これだけ風を出して、これだけの内外圧力差が生まれたということは○○㎠相当の隙間があるね」という測定方法です。

【相当隙間面積C値はどれくらいがよい?】
住宅が建設される地域区分・建物密集具合等により変わりますが概ね、
より優位であれば計画換気が可能となり、漏気(隙間風)による冷暖房エネルギーの増加も気にしなくて良いと言われています。

IBEC『住宅の気密性能試験方法』より
C値=1.0cm2/m2 内外温度差20℃(真冬の明け方)の時
漏気量は0.07回/hとなり、漏気の影響は非常に小さくなります。
もちろんC値が良いに越したことはありませんが、そもそも愛知県内では気密測定を行っている工務店や建設会社が少ないのが現状です。
愛知県は地域区分5.6地域に分けられ住宅供給事業者は温暖地という認識がまだまだ高いのかも知れません。

私たちは上記の表にも示す通り、およそ漏気を考慮しなくて良い
を担保すべきと考え、実測値平均C値=0.3㎠/㎡ (2023/7現在)と施工力を高めています。
家の性能を表す【UA値・C値・Q値】徹底解説!
↑ 以前のコラムでも書きましたが気密性能を語る上で断熱性能との関係性は深く、気密と断熱はセットで考える必要があります。UA値だけでは分からない室温の快適性はC値を担保せずには得る事が出来ません。
昨今の住宅業界ではUA値・C値の数値争いが勃発していますが、UA値とC値をシミュレーションソフトに入力でき、正しく関係性を理解している設計者は多くないと思われます。
新築、リフォームをご検討の方は是非、設計者に自社仕様のあり方や気密の施工方法について尋ねてみてください。