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2023/11/01

暖かい家は寿命を4歳も延ばす!? 健康と室温の関係について

暖かい家は寿命を4歳も延ばす!? 健康と室温の関係について 画像

西三河で女性設計士と建てるパッシブデザインを取り入れた高気密高断熱の注文住宅をてがけている河井建築です!

寒い日が続いていますね。若い頃には気にならなかった室温。年を取ったせいか最近身に染みて辛さを感じるようになってきました。笑

今年4歳になる子育て中のママ兼業設計士の自邸はというと…賃貸という事もあり、北側に面する玄関で玄関とつながる寒く長い廊下を歩かないと水廻りや各部屋には行けない構造になっています。冬のトイレはあまりにも寒く、子どもはリビングからトイレへ移動する時上着を着込みます。お風呂から出て廊下を歩けば極寒。ヒートショックで死にそうです。20年近く前に建った物件で、もちろん玄関ドアに断熱性は無く、窓だって単板ガラスのアルミサッシ。外気温の影響を受けまくりの家に住んでいます。

去年のお正月あまりに寒かったので室温の温度取りをしてみました。

■朝9時の時点のリビング:18℃(すべての居室が南面に面しているのでパッシブデザイン的にはバッチリの間取)

■朝9時の時点の廊下:5℃

温度差を見てさらに寒くなりました…。ヒートショックが起こるリスクが高くなる温度差限界10℃を軽く超えている💦

日本の既存住宅の95%が寒いと感じるレベルの断熱性能。皆さんがお住いの賃貸マンションやアパート、古い一軒家も同じような温度環境ではないでしょうか。



◎家の性能を表す【UA値・C値・Q値】徹底解説!

◎断熱性能と室温との関係性
 




【諸外国と比較する日本の現状】

断熱材の製造が始まったのはヨーロッパから遅れる事50年。1930年代頃に日本で断熱材の製造が始まりました。しかし、日本の住宅は諸外国とは異なり、個人の権利が保護され窓や建物の断熱性能に厳格な決まりが無く建築主の希望・予算により大らかに家づくりを続けた結果、上記グラフのように日本の住宅は断熱後進国となってしまいました。

 

断熱性能の悪い日本は宅内での死亡率がワースト



 

入浴中の溺死が多い理由は、寒く冷え込んだ脱衣室や浴室で裸になり急激に体温が奪われ血管が収縮し血圧が上昇。湯船に入った直後もお湯の熱さが刺激となり血圧が上昇。その後血管が広がり血圧が急激に低下し意識障害を起こしてそのまま…溺死となるわけです。冬季外気温が低い欧米諸国と比較しても日本は断トツで死亡率が高く、原因は「家の断熱不足」です。

この表を見ると日本人はお風呂に入るだけでかなりのリスクを冒しているのがわかります。怖いですね…



温熱環境整備の先進国とされるイギリスの寒さ対策の法整備を見てみましょう。これは賃貸住宅向けに設定された枠組みですが室温が18℃未満である場合、家主は速やかに改善措置をとりなさいということになっています。注目して欲しい点はリビングではなく室内の最低温度を18℃と設定している事。水回りの温度が外気温と変わらない住宅が多い日本現状と比較するととても高い目標です。



では、世界の動向はどうなっているのか…2018年に世界保健機構/WHOが住宅の断熱について勧告した資料では冬季の最低室温18℃以上になるようにと勧告しています。

日本ではやっと断熱性能向上の為に「断熱等級6・7」が創設されました。しかし、今のところ住宅の室内温度までは言及されておらず厚労省や国交省が推奨レベルの温度感に留まっています。今後住宅業界は諸外国の動向に合わせて全館空調を押し進める動きが加速しそうですが、すべての部屋を18℃以下にならないようにする為に暖房エネルギー(一次消費エネルギー)の増加が懸念されます。一年を通じて冷暖房エネルギーをいかに減らし、健康で快適な温熱環境を作るのかが重要になります。この話はまた別の機会に…
 


 

 

それほど寒くないと思う地域のが実は危険



日本国内でも逆転の現象が起きています。

冬季それほど寒くなく温暖と思われている地域ほど冬季の死亡率が高く、寒冷地ほど死亡率が低いのです。



寒冷地の人々は寒い冬から身を守る為、樹脂サッシやトリプルサッシ・内窓などをスタンダードとし全館空調やボイラー等で家全体を暖かくする工夫を行ってきました。自然と高断熱高気密性化が進み健康室温が保たれ、健康リスクが減少しています。北海道では冬でも家の中は半袖なんて話聞いたことありませんか?

温暖地に住む多くの人は「冬は寒いのは当たり前、コストもかかるので家の高断熱化は不必要。リビングと水廻りの温度差は我慢すれば大丈夫。」と思っており、住宅の高断熱化が進んでいないのかも知れません。しかし都道府県別の高断熱住宅普及率と冬期死亡率を比較すると、



高断熱住宅の普及率が低い地域ほど冬季の死亡増加率が高く、断熱性能の違いによる健康への影響が良くわかります。温暖地だからといって一年を通じて室温が健康快適であるわけではありません。
その為、愛知県下であったとしてもG2レベルの高断熱住宅を建てる必要あるのです。
 


 




【寒い家は病気になるリスクが高い!】

実は知らない室温と血圧変動の密接な関係。

日本の寝室は平均気温が極めて低い為、暖かい布団から出て起床する際に血圧上昇が引き起こされます。表を読み解くと高齢者ほど、そして男性よりも女性の方が室温低下による血圧上昇量が大きく、血圧が最も低くなる室温は、30歳男性では20℃、80歳男性では25℃、30歳女性では22℃、70歳女性では25℃となり、高齢者・女性ほど室温を高くすることで血圧抑制に効果的ということが分かります。



出典:国際医学誌

室温の低い寝室で起床時に血圧上昇、寒い廊下を通じてリビングへ移動、無暖房のリビングは室温が低く局所暖房で温める。気密性の低い住宅では局所暖房により上昇気流が生まれ、隙間風が入り込み足元がよく冷えます。また、暖かいリビングから寒い水廻りへ移動する事でまた血圧上昇が起こります。







温度の低い家で暮らし続ける事で起こる様々な温度差の影響を体が受け、高血圧→動脈硬化→心筋梗塞→脳卒中と最悪の事態も招きかねません。
安心安全であるはずの家が断熱気密不足により、逆に健康リスクの温床となりかねないのです。



住宅の暖かさは「健康寿命を伸ばす」という研究成果も報告されています。脱衣所の平均気温が12.4℃と14.6℃のたった2℃差ですが、その2つの群を比較して4歳も健康寿命に違いが出たという事実があります。暖かい家に住むという事が将来的な自分の健康や自立した生活が長く送れることにつながります。
 




【まとめ】

■日本の断熱基準はやばい
■家の断熱(+気密)性能を高めて健康温度18℃を担保しよう
■高断熱の家に住めば家族みんな健康快適+老後も安心

健康と室温の関係性は深く、河井建築が提供している断熱性能の根拠はここにあります。
家を建てるなら、迷わずG2グレード以上の断熱性能にしましょう。

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